研究助成
2021年度 武田報彰医学研究助成
新型コロナウイルスの増殖および病原性発現の分子基盤の解析
研究題目 | 新型コロナウイルスの増殖および病原性発現の分子基盤の解析 |
---|---|
年度/助成プログラム | 2021年度 武田報彰医学研究助成 |
所属 | 大阪大学 微生物病研究所 |
氏名 | 渡辺 登喜子 |
キーワード | 新型コロナウイルス / 宿主因子 / 病原性 |
研究結果概要 | SARS-CoV-2のオミクロン株は、パンデミック発生当初の武漢株と比べて、下気道への侵襲性が低く、重症化率が低いことが報告されている。本研究では、下気道へ感染が広がる性質に関与するウイルス遺伝子領域を明らかにするために、ヒトでの自然感染を模倣した少量接種システムを用いて、武漢株、オミクロン株ならびに、各株の一部遺伝子を組換えたキメラウイルスをそれぞれハムスターに経鼻接種し、肺でのウイルスの増殖効率を比較した。その結果、ORF3aより下流の遺伝子が、SARS-CoV-2の肺での増殖に重要であることが明らかとなった。さらに、新型コロナウイルスの分子進化解析を行ったところ、ORF3aより下流の遺伝子(MとE遺伝子)で正の淘汰が検出され、それらの変異は他の近縁のコウモリコロナウイルスでは認められなかった。本研究によって、下気道へ感染が広がりづらいオミクロン株の性質にはORF3aより下流の遺伝子が関与すること、ならびに、それらがヒトに適応的な変化である可能性が示唆された。 |
公表論文 | 1. Genes involved in the limited spread of SARS-CoV-2 in the lower respiratory airways of hamsters may be associated with adaptive evolution. J Virol. 2024, 98(5):e0178423. 2. Characterization of a neutralizing antibody that recognizes a loop region adjacent to the receptor-binding interface of the SARS-CoV-2 spike receptor-binding domain. Microbiol Spectr. 2024, 12(4):e0365523. 3. Advances in Adjuvanted Influenza Vaccines. Vaccines. 2023; 11(8):1391. 4. Genomic diversity of SARS-CoV-2 can be accelerated by mutations in the nsp14 gene. iScience. 2023, 26(3):106210. |
-
研究助成対象者
データベース -
応募方法に
ついて -
初めての方はこちら
マイページを
取得する -
既にマイページを取得済みの方はこちら
マイページへ
ログイン
応募申請はマイページからお願いします。