研究助成
2021年度 生命科学研究助成
酸性化したがん微小環境への適応と浸潤運動の誘発の研究
研究題目 | 酸性化したがん微小環境への適応と浸潤運動の誘発の研究 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 生命科学研究助成 |
所属 | 京都大学 大学院工学研究科・合成・生物化学専攻 |
氏名 | 三木 裕明 |
キーワード | がん / リソソーム / イオンチャネル・トランスポーター / TGFbeta / lysosomal exocytosis |
研究結果概要 | 私たちはがんの悪性化進展に重要なPRLを高発現する細胞でリソソームと細胞膜が融合するlysosomal exocytosisが活発に起こっており、細胞内のプロトンを積極的に細胞外に排出することで酸性化したがん微小環境の中でも選択的に増殖できることを見つけていた。本研究では、このlysosomal exocytosisに関わる分子機構の解明を目指して解析を進め、TGFbetaシグナル伝達との関わりを見つけることができた。TGFbetaは受容体に結合して、細胞内でシグナル伝達分子Smadを活性化して、核内で標的遺伝子の発現誘導を起こすことで機能することがよく知られる。しかし、lysosomal exocytosisの制御におけるTGFbetaシグナルはそれとは全く異なる仕組みで作用していることを明らかにした。また、lysosomal exocytosisを起こすのに必須の新規分子としてリソソーム膜に局在する亜鉛イオントランスポーターを見つけており、細胞内の微量金属イオン調節の新たな役割を明らかにしている。 |
公表論文 | A novel role of PRL in regulating epithelial cell density by inducing apoptosis at confluence. J. Cell Sci. 135, jcs258550 (2022). |
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