研究助成
2021年度 生命科学研究助成
生得性と経験依存性の相互作用による大脳皮質神経回路構築メカニズム
研究題目 | 生得性と経験依存性の相互作用による大脳皮質神経回路構築メカニズム |
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年度/助成プログラム | 2021年度 生命科学研究助成 |
所属 | 自然科学研究機構 生理学研究所 |
氏名 | 吉村 由美子 |
キーワード | 大脳皮質 / 神経回路形成 / 興奮性シナプス結合 / 細胞系譜 / 経験依存的発達 |
研究結果概要 | 脳機能の発現に必要な神経回路は、胎生期から生後間もない時期に遺伝的プログラムにより大まかに形成され、その後、経験や学習に依存して柔軟に再構築される。このプロセスを経て、生まれ育った環境に適した機能が獲得される。これまでの発達研究の多くは、遺伝と環境、どちらかに焦点が絞られ、別個に解析されてきた。本研究では、その相互的関係を明らかにする目的で、生後発達期マウスの大脳皮質を対象に、胎生期に同じ神経前駆細胞から発生したクローン細胞間に形成される興奮性シナプス結合が、生後の感覚経験の影響を受けるかについて調べた。 正常の感覚体験を経たマウスにおいて、体性感覚野4層バレル内にあるクローン細胞ペアは、非クローン細胞ペアに比べて、高い割合で双方向性シナプス結合を形成していた。生後発達期にヒゲを除去することで数日間の感覚経験遮断行うと、クローン細胞ペアの双方向性神経結合が著しく低下することを見出した。一方、非クローン細胞ペア間のシナプス結合には、感覚遮断の影響がみられなかった。これらの結果は、細胞系譜に依存した4層内興奮性シナプス結合は感覚入力の影響を受けながら形成・維持される可能性を示唆する。 |
公表論文 |
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