研究助成

2021年度 生命科学研究助成

強散乱体を突破する革新的生体二光子蛍光イメージング技術の確立に向けた超高輝度蛍光ナノプローブ群の創成

研究題目 強散乱体を突破する革新的生体二光子蛍光イメージング技術の確立に向けた超高輝度蛍光ナノプローブ群の創成
年度/助成プログラム 2021年度 生命科学研究助成
所属 高知大学 教育研究部総合科学系複合領域科学部門
氏名 仁子 陽輔
キーワード 生体イメージング / 多光子蛍光顕微鏡 / ピレン
研究結果概要 本研究では、骨髄や皮膚組織など、強散乱体を纏う生体組織・器官を高い時空間分解能でもって可視化するための新しい蛍光色素・蛍光ナノ粒子の開発を行った。特に、ピレンを基盤として得た新規なスクアライン誘導体、メロシアニン誘導体は第二近赤外光による効率的な多光子励起が可能であり、それぞれ生体マウスの骨髄中の血流、皮膚組織中のケラチノサイトなどの明瞭な描出を可能とした。さらに、ピレンを基盤とした新しい発色団開発にも成功し、同成果を基にさらに高効率な多光子励起蛍光イメージング用蛍光色素の開発が可能であることが示唆された。 以上の成果は、現在のところ一件の特許出願一件、二件の学術論文発表に繋がっており、今後も引き続きさらに成果を発表をしていく予定である。また、研究期間中に実施することができなかった疾患モデルマウスを用いた実験についても今後着手していきたい。
公表論文 Pyrene-Fused Dioxaborine-Based Merocyanines with High Brightness, Photostability, and Fluorogenic Function for Deep-Skin Tissue Imaging of a Living Mouse, Bull. Chem. Soc. Jpn., 2024, 97, 1-8. (DOI: https://doi.org/10.1093/bulcsj/uoad027) Synthesis of 1,3-Dibromopyrene as Precursor of 1-, 3-, 6-, and 8-Substituted Long-Axially Symmetric Pyrene Derivatives, Chem. Eur. J. 2024. (DOI: https://doi.org/10.1002/chem.202401152)