研究助成
2021年度 ライフサイエンス研究助成
細胞死から紐解く生命システム論
研究題目 | 細胞死から紐解く生命システム論 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 ライフサイエンス研究助成 |
所属 | 徳島大学 先端研究推進センター |
氏名 | 中岡 秀憲 |
キーワード | 細胞死 / マイクロデバイス / 分裂酵母 / イメージング |
研究結果概要 | 本研究は分裂酵母をモデルとして、至適培養環境でも細胞が確率的に死ぬ(自然死と呼ぶ)ことがあるという現象のメカニズムの理解を目指すものである。自然死の過程では、ある細胞に死の原因となるトリガーが発生した数世代の後に、その子孫細胞群が同調的に死ぬという特徴がある。自然死のトリガーはなんらかの代謝状態の揺らぎによるものという仮説を立て、その検証のために、マイクロデバイス観察系を用いてATPおよび細胞質pHのライブイメージング測定を行なった。細胞が死ぬ直前にはpHやATPレベルの低下が観測されたが、死のトリガーが発生すると思われる親細胞においては顕著なシグナル変動は見られなかった。一方、死過程にある複数の子孫細胞群で体積成長率にばらつきが観察されていたが、これは核の分配異常で説明できることがGFP融合ヒストンを発現した株のイメージングで明らかとなった。しかし核の分配異常自体は死過程の後半で起きるイベントであり、これが自然死のトリガーとは考えられない。以上のように、自然死過程の分子イベントはいくつか明らかになったものの、死のトリガーの本質となる分子イベントについては引き続き研究が必要である。 |
公表論文 |
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