研究助成
2021年度 ライフサイエンス研究助成
おじいちゃんが孫の繁栄を守る生殖細胞戦略
研究題目 | おじいちゃんが孫の繁栄を守る生殖細胞戦略 |
---|---|
年度/助成プログラム | 2021年度 ライフサイエンス研究助成 |
所属 | お茶の水女子大学 基幹研究院 自然科学系 |
氏名 | 佐藤 敦子 |
キーワード | 母性遺伝 / ばらつき / 継代遺伝 / 環境の影響 |
研究結果概要 | カタユウレイボヤの親個体における熱ストレスが卵の母性mRNAのばらつきに与える影響と、親の発生緩衝度合いがそのばらつきに与える影響するかを明らかにした。発生緩衝度合いは母性遺伝するため、熱ストレスに比較的強いタイプAを祖母とする卵と、タイプBを祖母とする卵(両方とも、祖父はタイプB)を得て、単一細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析を行った。さらに、それらの卵を野生型タイプBと交配し、次世代の卵を得て、同様の網羅的遺伝子発現解析を行った。その結果、交配の種類によって若干の違いはあるものの、ストレスにさらされた親の卵における母性mRNAのばらつきは減少するが、その次の世代では、親がストレスに曝されていなくても、ばらつきが大きくなることが明らかになった。さらに、正常な発生過程に重要な、シグナリング分子の発現のいくつかは、親世代での熱ストレスによって、卵におけるばらつきが大きくなることが明らかになった。本研究の成果は、単一細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析技術を使って母性mRNAにおけるばらつきを調べた先駆的成果であり、国際学術雑誌BMC Ecology and Evolutionに掲載された。 |
公表論文 | Sato, A, Mihirogi, Y., Wood, C., Suzuki, Y., Truebano, T., Bishop, J. (2024) Heterogeneity in maternal provision within clutches of eggs in response to thermal stress during the embryonic stage. BMC Ecology and Evolution 24: 21 Sato, A. (2023) Two sister species of Ciona are not just complex but wonderful: a study of maternal mRNA to safeguard life on earth. Genesis 2023; e23555. |
-
研究助成対象者
データベース -
応募方法に
ついて -
初めての方はこちら
マイページを
取得する -
既にマイページを取得済みの方はこちら
マイページへ
ログイン
応募申請はマイページからお願いします。