研究助成

2021年度 ライフサイエンス研究助成

植物の代謝機能改変により低炭水化物・高脂質化した葉の分子基盤解析

研究題目 植物の代謝機能改変により低炭水化物・高脂質化した葉の分子基盤解析
年度/助成プログラム 2021年度 ライフサイエンス研究助成
所属 千葉大学 大学院園芸学研究院
氏名 島田 貴士
キーワード 油滴 / シロイヌナズナ / 低糖質・高脂質
研究結果概要 植物の葉は通常、デンプンを多く蓄積し、脂質はあまり蓄積しない。つまり、高糖質・低脂質の状態である。本研究では、シロイヌナズナを用いた基礎研究を行い、葉におけるデンプン優先制御機構の分子機能、生理機能を明らかにした。先行研究より、シロイヌナズナliri1変異体の葉では、脂質含量が増加する一方で、デンプン含量が減少することが明らかになっている。つまり、liri1変異体は低糖質・高脂質化した植物であると言える。また、シロイヌナズナの実生を、滅菌水に浸すと、栄養不足により、油滴が誘導されるとともに、デンプン含量が低下することが明らかになっている。本研究では、葉での「低炭水化物・高脂質」を実現するためのシーズ開発を達成した。具体的には、「低炭水化物・高脂質」の葉を持つシロイヌナズナliri1変異体の解析と、水処理により「低炭水化物・高脂質」の葉を誘導する現象の分子基盤の解析を行った。これらを通して、葉がなぜ脂質ではなくデンプンを貯めるのか、という古くからの疑問の解決を目指した。
公表論文 Lipid droplets in Arabidopsis thaliana leaves contain myosin-binding proteins and enzymes associated with furan-containing fatty acid biosynthesis, Frontiers in Plant Science, 2024 Mar 1:15:1331479. doi: 10.3389/fpls.2024.1331479. Yuto Omata, Reina Sato, Emi Mishiro-Sato, Keiko Kano, Haruko Ueda, Ikuko Hara-Nishimura, Takashi L Shimada