研究助成
2021年度 ライフサイエンス研究助成
トリプルネガティブ乳がんの新しい治療戦略としてのWntシグナルの光による制御
研究題目 | トリプルネガティブ乳がんの新しい治療戦略としてのWntシグナルの光による制御 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 ライフサイエンス研究助成 |
所属 | 産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 |
氏名 | 于 躍 |
キーワード | 癌 / ナノメディシン / DDS / 光線療法 / 標的治療 |
研究結果概要 | 共有結合性有機構造体(COFs)は、最近開発された結晶性多孔性ポリマーの一種であり、広く光触媒反応に使用されています。本研究では、薬物送達または光力学療法のいずれかで機能する2種類のCOFsを研究しました。 最初の例では、葉酸受容体(FR)を標的とするCOF(FA-COF)を、葉酸を両親媒性COF骨格に結合させることで開発しました。FA-COFは高い薬物負荷容量を示し、FR陽性のがん細胞に選択的親和性を持つことを実証し、その結果、FRが豊富な腫瘍に対するより強い細胞殺傷活性を示しました。 2番目の例では、既知の光感受性物質であるポルフィリンを基本単位として選択し、光活性COF(pCOF)を成功裏に合成しました。pCOFは、TRPV1チャネルの光熱活性化を通じて細胞内Ca2+流入を開始し、トリプルネガティブ乳がんの生存に不可欠なWntシグナル伝達経路を抑制することができることを示しました。これらの結果から、COFを基盤としたナノ医療は、標的がん治療の向上に大きな可能性を秘めていることが示されました。 |
公表論文 | Designed Fabrication of Active Tumor Targeting Covalent Organic Framework Nanotherapeutics via a Simple Post-synthetic Strategy, Nano Res. 16: 7085 (2023) |
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