研究助成

2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

ナノ粒子シンチレータを用いた低被ばく線量X線光遺伝学法の開発

研究題目 ナノ粒子シンチレータを用いた低被ばく線量X線光遺伝学法の開発
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 藤田医科大医学 医学部生理学II講座
氏名 松原 崇紀
キーワード X線光遺伝学 / シンチレータ / オプシン / 低被爆放射線量
研究結果概要 「光遺伝学」は、光感受性タンパク質(オプシン)分子を特定細胞に発現させ、光照射により細胞機能変化を誘導する技術であり、時間精度の高さを背景に神経科学分野を中心に発展してきた。しかしながら、光遺伝学は可視光領域の刺激光を用いるため、その組織透過性が低く、脳深部組織への適用が困難である。この問題を克服するため、我々は生体透過性が極めて高いX線とX線を可視光へと変換するシンチレータ(Ce:GAGG)を用いた新規な光操作法を開発し、深部脳神経の活動操作と行動変化の誘導に成功した(Matsubara et al., Nat. Communi, 2021)。本手法の現時点での問題点は、実験動物に対する被爆放射線量の大きさである。そこで、本研究では、以下の方法(1. Streptavidinでコーティングしたナノ径Ce:GAGG粒子とその結合配列であるStrep-tag IIを付けたオプシン、2. 新規ステップ・ファンクション・オプシン、3. 新規シンチレータ)を用いることで、オプシンを活性化させるためのX線照射時間を短くし、より低被爆線量で神経活動を操作できる方法の確立を目指した。
公表論文