研究助成

2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))

がん細胞における高頻度なイントロン内ポリアデニル化の発生要因の解明

研究題目 がん細胞における高頻度なイントロン内ポリアデニル化の発生要因の解明
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
所属 名古屋大学 大学院医学系研究科 附属神経疾患・腫瘍分子医学研究センター 分子腫瘍学
氏名 尾上 耕一
キーワード イントロン内ポリアデニル化 / ナノポアシーケンス / RNA-seq / がんトランスクリプトーム / RNAプロセシング
研究結果概要 本研究では、種々のがんにおいて亢進するイントロン内ポリアデニル化の制御メカニズムを解明するために必要な解析技術の開発を主に実施した。その結果、イントロン内ポリアデニル化と、スプライシングやRNA塩基修飾などその他の関連する事象を同時解析できる方法として、ナノポアdirect RNAシーケンスを基盤とした全長mRNAの解析手法の開発、およびデータ解析パイプラインを構築した(STAR protocol. 2023)。さらに、mRNA1分子単位で翻訳状態との関連付けのできる技術について、実際の解析例とともに提示した。また、上記技術で得られる知見をがん公共データベースに外挿的に適用するため、通常のRNA-seqデータからイントロン内ポリアデニル化の解析パイプラインを構築し、1万症例以上のがん患者におけるイントロン内ポリアデニル化アトラスを独自に作成した。その過程で、イントロン内ポリアデニル化とRNA修飾との思いがけないクロストークを見出すことができた(未公開)。
公表論文 Ogami K, Oishi Y, Hoshino SI. Protocol for analyzing intact mRNA poly(A) tail length using nanopore direct RNA sequencing. STAR Protocols 4: 102340 (2023)