研究助成

2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

細菌分子のドメインシャフリングによる新たな末梢神経治療シーズの創出

研究題目 細菌分子のドメインシャフリングによる新たな末梢神経治療シーズの創出
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 北里大学 医学部
氏名 内田 健太郎
キーワード 細菌分子 / 末梢神経傷害 / 炎症性サイトカイン
研究結果概要 本研究では、細菌分子のドメインシャフリングにより、新たな神経再生促進因子を創生し、末梢神経障害治療への応用の可能性を検討した。細菌分子であるBafAとコラーゲン結合ドメイン(CBD)のドメインシャフリングを行い、コラーゲン結合型BafA(CB-BafA)を作製した。その後、Wistarラットを用いて、Chronic Constriction Injury(CCI)モデルを作成した。損傷部位にCB-BafAを含むコラーゲンシートを移植した。移植後、疼痛閾値の変化をvon Frey filamentを用いて評価し、炎症性サイトカインの発現をリアルタイムPCRで検討した。さらに、電子顕微鏡を用いて神経組織の形態学的解析を行った。BafA-PKD-CBDの移植により、疼痛閾値が改善された。また、移植部位における炎症性サイトカインIl6, Tnfaの発現が有意に低下し、有髄神経密度が増加したことが確認された。細菌分子のドメインシャフリングによって創生されたCB-BafAは、末梢神経障害に対する治療に有用である可能性が示唆された。
公表論文