研究助成
2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
Aurora-Bを介した新たな幹細胞制御機構の解明とそのがん幹細胞研究への応用による新規治療法の開発
研究題目 | Aurora-Bを介した新たな幹細胞制御機構の解明とそのがん幹細胞研究への応用による新規治療法の開発 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎)) |
所属 | 徳島大学 徳島大学・大学院医歯薬学研究部・口腔分子病態学分野 |
氏名 | 常松 貴明 |
キーワード | 多能性幹細胞 / 癌幹細胞 / 染色体パッセンジャー複合体 |
研究結果概要 | 多分化能と自己複製能を備えた多能性幹細胞は、生殖細胞を含む身体を構成するあらゆる細胞に分化でき、再生医療への応用が期待されている。加えて、近年ではiPS細胞を誘導する初期化因子の一過性発現により腎癌や膵癌を発症することが明らかとなり、癌幹細胞モデルとしても注目されている。本研究では、体細胞で細胞分裂に必須であるChromosome Passenger Complex (CPC)が多能性幹細胞においては未分化性維持に働くことを明らかにした。CPCはAurora-Bキナーゼ、INCENP、BorealinやSurvivinの4つの構成因子よりなっているが、未分化性維持にはいずれの構成因子も必要であるあることを見出し、CPCノ活性自体が重要であることを明らかにした。加えて、がんにおいては構成因子の1つであるBorealinがCPC活性非依存的に解糖系関連遺伝子の発現を上昇させ、がんの代謝を亢進させることも見出した。本研究により、多能性幹細胞での分化制御におけるCPCの機能、がんにおけるCPC非依存的なCPC構成因子の非古典的機能が明らかとなり、癌幹細胞の理解に有用な知見であると考えられる。 |
公表論文 | The non-canonical function of borealin, a component of chromosome passenger complex, promotes glycolysis via stabilization of survivin in squamous cell carcinoma cells. Biochem Biophys Res Commun. 2024, 706:149741. |
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