研究助成

2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

萎縮性側索硬化症におけるCD47-SIRPα系を介した神経障害機構の解明

研究題目 萎縮性側索硬化症におけるCD47-SIRPα系を介した神経障害機構の解明
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 国際医療福祉大学塩谷病院 脳神経内科
氏名 野崎 一朗
キーワード 筋萎縮性側索硬化症 / CD47 / シュワン細胞 / CD68 / 脊髄前根
研究結果概要 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis; ALS) は筋力低下を特徴とする致死性神経変性疾患である。シュワン細胞におけるCD47の低下はALSにおける運動ニューロンの変性に関与していることを示すことが目的である。 ALSの脊髄標本でCD47陽性線維数/NF陽性線維数比は、ALSの前根では有意な低下が認められた。単位面積あたりのCD68陽性細胞数は、ALS前根ではほかの領域に比べて有意に増加していた。マウスIMS32シュワン細胞を用いてCD47のノックダウンすると、mRNA転写レベルではNADPH oxidase-1 (NOX1) が低下、monocyte chemotactic protein (MCP)-1、Erythroblastic leukemia viral oncogene homolog (ErbB) 3 は増加していた。ALSでは何らかのメカニズムで障害を受けた軸索は近傍のシュワン細胞のCD47発現を減少させ、NOX1、CCL2、ErbB3といった遺伝子の転写を変化させていると考えられる。
公表論文