研究助成
2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
TRIB1によるMAPキナーゼ経路とEMT関連遺伝子の転写活性化を介したがん 進展メカニズムの解明
研究題目 | TRIB1によるMAPキナーゼ経路とEMT関連遺伝子の転写活性化を介したがん 進展メカニズムの解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎)) |
所属 | 山梨大学 大学院総合研究部医学域 |
氏名 | 横山 隆志 |
キーワード | TRIB1 / C/EBPα / TGF-β / Smad3 / がん幹細胞 |
研究結果概要 | pseudokinaseであるTRIB1は,MEK1との結合によるMAPキナーゼ経路の活性化の持続と,ユビキチンリガーゼCOP1依存的なC/EBPαの分解により白血病幹細胞性を誘導し,マウス骨髄移植モデルにおいて急性骨髄性白血病を100%発症させる.一方で固形がんにおけるTRIB1の機能については不明な点が多かった.本研究ではヒト肺がん細胞株A549細胞へのTGF-β刺激によりTRIB1が発現誘導され,C/EBPαタンパク質の分解が促進されることを見出した.さらにゲノム編集によりTRIB1-KO細胞を作製し,各種TRIB1機能不全変異体を再導入して調べた結果,MAPキナーゼ経路の活性化は増殖速度や生存に必要であり,C/EBPαの分解はTGF-β誘導性の細胞運動能に必要であることがわかった.また,足場非依存性増殖やヌードマウスへの尾静脈移植による肺への定着にはMAPキナーゼ経路の活性化とC/EBPα分解の両方が必須であった.以上の結果から,固形がんの悪性化や進展においてもTRIB1が重要な役割を担っていることが明らかになった. |
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