研究助成

2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

先天性GPI欠損症の神経基盤の解明とその非侵襲的遺伝子治療法の新規開発

研究題目 先天性GPI欠損症の神経基盤の解明とその非侵襲的遺伝子治療法の新規開発
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 Universtiy of Tsukuba Faculty of Human Sciences
氏名 張 琪
キーワード 先天性GPI欠損 / 抑制性ニューロン / 運動障害 / てんかん / 非侵襲的遺伝子治療法
研究結果概要 現在の研究では、新たに確立したIGDマウス疾患モデルを免疫組織化学解析により解析し、海馬と小脳の特定の層において、興奮性シナプスおよび抑制性シナプスの数とサイズが変化していることが明らかになりました。電気生理学解析を用いることにより、海馬CA1でのmEPSPおよびmIPSPの有意な欠損、および小脳でのLTDの有意な欠損を検出することができました。rAAV-PHP.eBウイルスの静脈内注射を用いることで、IGDマウスの運動障害および発作を遺伝子導入により救済することができました。したがって、我々の結果はIGDの基礎となるシナプスおよび細胞レベルのメカニズムを明らかにし、IGDモデルマウスの特定された細胞集団への遺伝子導入を効率的・非侵襲的かつ安全に実現する方法が示されました。
公表論文 Distal regulatory sequences contribute to diversity in brain oxytocin receptor expression patterns and social behavior. Cold Spring Harbor Laboratory doi: https://doi.org/10.1101/2022.12.01.518660 Transcriptional lability of brain oxytocin receptor (Oxtr) generates diversity in brain OXTR distribution and social behaviors. Cold Spring Harbor Laboratory doi: https://doi.org/10.1101/2022.12.01.518660 On the origins of social behavior diversity. The Japanese Journal of Animal Psychology. https://doi.org/10.2502/janip.71.1.4 Limb-clasping, cognitive deficit and increased vulnerability to kainic acid - induced seizures in neuronal GPI anchor deficiency mouse models. Human Molecular Genetics Feb ddab052 https://doi.org/10.1093/hmg/ddab052