研究助成
2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
新規ペントシジン産生経路を基盤とした統合失調症糖化病態の理解
研究題目 | 新規ペントシジン産生経路を基盤とした統合失調症糖化病態の理解 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 公益財団法人 東京都医学総合研究所 精神行動医学研究分野 統合失調症プロジェクト |
氏名 | 鳥海 和也 |
キーワード | 統合失調症 / ペントシジン / グルクロン酸 / Aldo-Keto reductase |
研究結果概要 | 統合失調症で蓄積したペントシジン(PEN)の前駆物質として、新たにグルクロン酸(GlcA)を同定し、統合失調症患者では健常者に比べて有意に血漿中GlcA値が高いことを明らかにした。さらに、GlcAの値は統合失調症の重篤度のスコアと有意に相関し、服薬の影響を調整しても有意な関係は維持された。また、統合失調症におけるGlcA蓄積の原因の一つとして、GlcA分解酵素Aldo-Keto reductase(AKR)活性の減少を明らかにした。以上、本研究の成果から、「AKRの活性低下によるGlcAの蓄積が、PENの蓄積につながる」という統合失調症に関連した新たなPEN合成経路を同定することができた。今回の発見を利用することで、実際の統合失調症患者の病態を再現した細胞及びマウスモデルを作製することが可能となるため、統合失調症におけるPEN蓄積の病態生理の理解、創薬研究に貢献できると考える。また、GlcAによる新規PEN合成経路は、糖尿病などの代謝性疾患にも関与していると考えられ、精神疾患以外の領域においてもPEN蓄積のもたらす病態の理解、及び創薬にも結びつく可能性を秘めている。 |
公表論文 | Glucuronic acid is a novel source of pentosidine, associated with schizophrenia. Redox Biol, (2023) 67: 102876. Role of glyoxalase 1 in methylglyoxal detoxification-the broad player of psychiatric disorders. Redox Biol (2022) 49: 102222. AKR1A1 Variant Associated With Schizophrenia Causes Exon Skipping, Leading to Loss of Enzymatic Activity. Front Genet (2021) 12: 762999. |
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