研究助成
2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
大脳新皮質における局所神経回路の形成を制御する分子メカニズム
研究題目 | 大脳新皮質における局所神経回路の形成を制御する分子メカニズム |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 東京都医学総合研究所 基礎医科学研究分野 |
氏名 | 倉林 伸博 |
キーワード | ダウン症モデルマウス / 大脳新皮質 / プロテオーム解析 / シナプスタンパク質 / リン酸化 |
研究結果概要 | ダウン症(21トリソミー)における知的障害の発症機序として、発生期における神経細胞の産生・分布の異常や、産生された神経細胞同士による回路の形成異常などが示唆される。しかしながら、ダウン症の脳においてその発生がどのように障害され、またその障害が機能の異常とどのように連関しているかはこれまでに十分に理解されていない。本研究においては、鳥取大学 医学部の香月康宏博士との共同研究により、93%以上のヒト21番染色体遺伝子を有する新規ダウン症モデルマウスTcMAC21の解析を行った。このマウスの胎仔の大脳新皮質において、神経幹細胞の分裂や神経細胞の産生が抑制されていた。さらに、アダルト脳の大脳皮質を解析した結果、興奮性神経細胞と一部の抑制性神経細胞の減少が認められた。さらに、大脳新皮質を用いた(リン酸化)プロテオーム解析を実施した結果、様々なシナプスタンパク質のレベルはほとんど変化していていなかった一方で、リン酸化レベルの変動が認められた。ことから、TcMAC21マウスにおいてはシナプスの機能、および神経回路が変化しており、これがこのマウスの脳機能異常に寄与する可能性が考えられた。 |
公表論文 | Neocortical neuronal production and maturation defects in the TcMAC21 mouse model of Down syndrome. iScience, 23, 108379 |
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