研究助成

2021年度 医学系研究継続助成(精神・神経・脳領域)

革新的脳組織生検術「ボーリングバイオプシー」で採取した脳組織検体がもたらす病理学的意義の解明

研究題目 革新的脳組織生検術「ボーリングバイオプシー」で採取した脳組織検体がもたらす病理学的意義の解明
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究継続助成(精神・神経・脳領域)
所属 信州大学医学部 脳神経外科
氏名 藤井 雄
キーワード 脳腫瘍 / 生検 / ボーリングバイオプシー
研究結果概要 先行研究にて、脳組織生検術においてボーリングバイオプシーの概念は、従来の生検術と比較し、非劣性であると考えられたため、これらの研究結果をもとに、本研究では信州大学学術研究・産学官連携推進機構の協力のもと、高島産業株式会社、(株)フジタ医科器械との医工連携で、手術用硬性小物としてのボーリングバイオプシーニードルの開発に成功し、上市に至った。さらに、信州大学医学部医倫理委員会の承認を得た上で、ボーリングバイオプシーの有用性を証明するための臨床研究を行った。研究対象は組織診断を要する脳実質内病変とし、富血管性病変、石灰化など硬い病変、近傍に大血管が存在する病変は合併症回避の観点から適応外とした。採取検体をもとに、診断能力と脳への侵襲の程度を組織学的に確認し、ツールの有用性と安全性の評価を行い、症例の蓄積により、本法の有用性が証明されつつある。また、術中画像誘導手術に応用するために、術中MRI、ナビゲーション、神経内視鏡などを併用し、より有用性を向上させる取り組みを行った。 以上、本研究成果が脳腫瘍診療の発展に大きく寄与したと考える。今後の本法の普及に期待したい。
公表論文