研究助成
2021年度 医学系研究助成(基礎)
DNAリガーゼIVの機能低下に起因する自己免疫病態の解明
研究題目 | DNAリガーゼIVの機能低下に起因する自己免疫病態の解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(基礎) |
所属 | 和歌山県立医科大学 血液内科 |
氏名 | 山下 友佑 |
キーワード | DNAリガーゼIV / 原発性免疫不全症 / 自己免疫 / Th1 / IFNγ |
研究結果概要 | DNAリガーゼIV (LIG4)は遺伝子再構成に関わるDNA二本鎖切断修復酵素である。遺伝子再構成の障害ではT・B細胞欠損の免疫不全症を生じるが、部分的な障害では残存するリンパ球が異常に活性化し、多彩な自己免疫病態を発症する。我々は、原発性免疫不全症の自験例から同定したLIG4新規遺伝子変異をマウスに導入し、Lig4変異マウス(W447C)を作製した。作製したLig4変異マウスは全例で獲得免疫不全を認め、腸炎を発症した。腸管組織ではCD4陽性T細胞とマクロファージの浸潤を認めた。腸管のRNAseqでは、Th1・IFNγ関連遺伝子の発現亢進を認めた。腸管リンパ球では、IFNγ陽性細胞の増加を認めた。Rag2欠損マウス(T・B細胞欠失マウス)にLig4変異マウスの骨髄細胞を移入した骨髄キメラマウスで、Lig4変異マウスと同様の腸炎を発症した。さらにRag2欠損マウスとのダブル変異マウスでは腸炎は認めなかった。以上より、DNAリガーゼIVの機能低下に起因する腸炎では、IFNγ産生Th1が病因である可能性が示唆された。Lig4変異マウスは免疫不全に付随した自己免疫病態の解明に有用かもしれない。 |
公表論文 | Allosteric Inhibition of c-Abl to Induce Unfolded Protein Response and Cell Death in Multiple Myeloma. International journal of molecular sciences. 2022;23(24):16162. |
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