研究助成
2021年度 医学系研究助成(臨床)
肝疾患における核内脂肪滴の病態機能解明
研究題目 | 肝疾患における核内脂肪滴の病態機能解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(臨床) |
所属 | 名古屋大学大学院医学系研究科 消化器内科学 |
氏名 | 今井 則博 |
キーワード | 核内脂肪滴 / 核膜陥入 / 肝細胞 |
研究結果概要 | 肝細胞に特徴的に認められる核内脂肪滴が、付随する細胞質・核膜陥入の有無によって2種類に分類され、それぞれ異なる臨床的特徴を持っていることを明らかとしました。脂肪滴は脂肪細胞だけでなく、全身の細胞に存在するオルガネラ(細胞内小器官)です。脂肪滴は過剰なエネルギーを蓄えるのみでなく、様々な生理機能を有することが知られています。近年、肝細胞において特徴的に核内にも脂肪滴が認められることが明らかとなり、その形成機構や機能が注目されています。本研究では臨床で得られた肝生検検体に対し電子顕微鏡を用いた超微細形態解析を行い、生体内肝細胞における核質内脂肪滴(“真の”核内脂肪滴)が小胞体ストレスによって形成されること、また形態の異なる核内脂肪滴として細胞質内の脂肪滴が核膜とともに核内へと陥入する”細胞質脂肪滴の核内陥入”が細胞内の脂質量に応じて核内へ陥入し、血中のコレステロール濃度と関連していることを明らかとしました。本研究の成果により核内脂肪滴を中心とした新たな病態生理メカニズムの解明が期待されます。 |
公表論文 | Distinct features of two lipid droplets types in cell nuclei from patients with liver diseases, Scientific Reports, DOI:10.1038/s41598-023-33977-4 |
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