研究助成
2021年度 医学系研究助成(基礎)
体温センサーTRPM2体温下活性制御とシグナロソーム形成メカニズムの解明
研究題目 | 体温センサーTRPM2体温下活性制御とシグナロソーム形成メカニズムの解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(基礎) |
所属 | 熊本大学 生命科学研究部 |
氏名 | 加塩 麻紀子 |
キーワード | TRPM2 / リン酸化 / カルシウム / 温度 |
研究結果概要 | 研究代表者は温度感受性Transient receptor potential melastatin 2 (TRPM2)の体温下活性制御機構解明をめざした研究を遂行し、細胞内Ca2+とタンパクリン酸化酵素(PKC)によるTRPM2リン酸化を介したTRPM2活性化温度閾値調節の分子基盤を明らかにした。細胞内Ca2+は濃度依存性にTRPM2の温度閾値を低下させ、PKCによるTRPM2リン酸化は細胞内Ca2+の効果に拮抗することで温度閾値を上昇させた。リン酸化部位として同定されたThr738のリン酸化不全変異(Thr738Ala)はPKCの効果を消失させ、リン酸化模倣変異(Thr738Asp)はPKCの作用を再現したことから、Thr738リン酸化の重要性が証明された。Thr738はTRPM2細胞内領域のCa2+結合ドメイン近傍に位置しており、Thr738リン酸化による大きな負電荷の導入がCa2+結合アフィニティーに影響を及ぼした結果、TRPM2活性化温度閾値が上昇したと考えられる。本研究成果は、TRPM2が温度により活性化する分子基盤の解明にもつながる結果であると期待される。 |
公表論文 | Protein kinase C-mediated phosphorylation of transient receptor potential melastatin type 2 Thr738 counteracts the effect of cytosolic Ca2+ and elevates the temperature threshold. J Physiol. 600(19):4287-4302. doi: 10.1113/JP283350 |
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