研究助成
2021年度 医学系研究助成(感染領域)
ネズミチフス菌のT3SS-2を介した新規全身感染機構の解析
研究題目 | ネズミチフス菌のT3SS-2を介した新規全身感染機構の解析 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(感染領域) |
所属 | 長崎大学熱帯医学研究所 細菌学分野 |
氏名 | 日吉 大貴 |
キーワード | ネズミチフス菌 / 全身感染 / 好中球 / エフェロサイトーシス / T3SS |
研究結果概要 | サルモネラ属のネズミチフス菌による全身感染は、アフリカ大陸を中心に多くみられる。また致命率の高い薬剤耐性菌の出現により、WHOは治療薬を早急に開発すべき病原体に指定した。本研究では、ネズミチフス菌の全身感染メカニズムの解析を行い、新規の感染機構を見出した。要約すると、ネズミチフス菌は組織マクロファージで増殖後、病原因子(T3SS-2)によって自身が増殖していた液胞内(サルモネラ含有液胞; SCV)から細胞質内に脱出することにより細胞死を起こしたマクロファージ(pore-induced intracellular trap, PITs)に留まる。その後、PITsは宿主の補体によりオプソニン化されて好中球を誘導し、PITsごと菌体を取り込ませることで(エフェロサイトーシス)、好中球の持つ活性酸素種(ROS)による強い殺菌作用から逃れられることを明らかにした。さらに、他の細胞内寄生菌であるブルセラ菌においても、このトロイの木馬のような戦略により全身感染の効率をあげている可能性を確認し、国際誌による公表に至った(Hiyoshi et al., Cell Host Microbe 2022)。 |
公表論文 | The Vi Capsular Polysaccharide of Salmonella Typhi Promotes Macrophage Phagocytosis by Binding the Human C-Type Lectin DC-SIGN, mBio. Dec 20;13(6):e0273322, 2022. Host cells subdivide nutrient-niches into discrete biogeographical microhabitats for gut microbes, Cell Host Microbe. Jun 8;30(6):836, 2022. Virulence factors perforate the pathogen-containing vacuole to signal efferocytosis, Cell Host Microbe. Feb 9;30(2):163-170, 2022. |
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