研究助成
2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
超解像STED顕微鏡によるトンネルナノチューブ形成の分子機序の研究; 悪性脳腫瘍の治療抵抗性の克服を目指して
研究題目 | 超解像STED顕微鏡によるトンネルナノチューブ形成の分子機序の研究; 悪性脳腫瘍の治療抵抗性の克服を目指して |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎)) |
所属 | 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 バイオイノベーション政策分野 |
氏名 | 小金澤 紀子 |
キーワード | 超解像顕微鏡 / STED / 膠芽腫 / トンネルナノチューブ |
研究結果概要 | 脳腫瘍は小児がん全体の20%ほどを占めており、少子化社会において予後の悪い小児脳腫瘍は大きな問題となっている。アストロサイト由来の悪性脳腫瘍である膠芽腫や退形成性星細胞腫などは治療抵抗性の腫瘍であり、新しい治療法を開発する必要がある。腫瘍細胞はトンネルナノチューブ(TNT)という細長い突起で他の腫瘍細胞とギャップ結合を介して接着し、このTNTを通じて治療抵抗性を獲得していると考えられている。本研究では超解像STED顕微鏡を使ってTNT形成の分子機序解明を試みた。まず、アストロサイトのTNTでのF-アクチンの微細形態を超解像STED観察した。その結果、F-アクチンがTNTに濃縮していることと特殊な形態を取ることを明らかにした。次に、F-アクチンのパタンとほぼ同じパタンを示すF-アクチン結合タンパク質があることを見出した。このタンパク質はアストロサイトに特異的に発現しており、アストロサイトのTNTを制御するタンパク質である可能性が示唆された。今後は、このタンパク質の機能的解析を続ける予定である。この研究が将来的には膠芽腫などの治療開発につながる可能性が期待できる。 |
公表論文 | The murine ortholog of Kaufman oculocerebrofacial syndrome gene Ube3b is crucial for the maintenance of the excitatory synapses in the young adult stage. Neuroscience Letters 797 (2023) 137059; Katsube S, Koganezawa N†, Hanamura K, Cuthill KJ, Tarabykin V, Ambrozkiewicz MC, Kawabe H†. †Correspondence Nedd4-2-dependent regulation of astrocytic Kir4.1 and Connexin43 controls neuronal network activity. Journal of Cell Biology (2024), 223(1):e201902050. Altas B, Rhee HJ, Ju A, Cruces-Sol H, Karaca S, Winchenbach J, Kaplan Arabaci O, Schwark M, Ambrozkiewicz M, Lee C, Spieth L, Wieser G, Majoul I, Hassan M, Goel R, Wojcik S, Koganezawa N, Hanamura K, Rotin D, Pichler A, Mitkovski M, de Hoz L, Poulopoulos A, Urlaub H, Jahn O, Saher G, Brose N, Rhee JS, and Kawabe H |
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