研究助成
2021年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
フォスファチジン酸合成経路を標的としたヒト白血病幹細胞根絶のための新規治療法の構築
研究題目 | フォスファチジン酸合成経路を標的としたヒト白血病幹細胞根絶のための新規治療法の構築 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(がん領域(臨床)) |
所属 | 九州大学病院 遺伝子細胞療法部 |
氏名 | 菊繁 吉謙 |
キーワード | 急性骨髄性白血病 / ミトコンドリア / GPAT1 |
研究結果概要 | 本研究の遂行により、ヒト急性骨髄性白血病(AML)細胞がその腫瘍増殖をフォスファチジン酸合成経路の活性に強く依存していることを明らかにすることができた。具体的には、AML細胞はフォスファチジン酸合成経路の律速段階酵素であるGPAT1を高発現しており、GPAT1の薬理学的阻害、およびshRNAを用いた遺伝子発現抑制により、in vitro, in vivoでのAML増殖活性が強力に抑制された。このGPAT1機能阻害による抗AML効果のメカニズムとして、我々はフォスファチジン酸合成経路活性がミトコンドリア融合に重要な役割を担っていることを見出した。すなわち、GPAT1阻害とそれに伴うフォスファチジン酸合成低下により、ミトコンドリア膜融合が阻害され、結果としてミトコンドリア分裂が誘導された。ミトコンドリア分裂は結果として、AML細胞がエネルギー産生を強く依存する酸化的リン酸化の抑制を生じることで、AML細胞の生存、増殖を抑制することが明らかとなった。 |
公表論文 |
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