研究助成
2021年度 医学系研究助成(基礎)
T 細胞老化におけるDNA 脱メチル化酵素TET の機能解明
研究題目 | T 細胞老化におけるDNA 脱メチル化酵素TET の機能解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(基礎) |
所属 | 千葉大学大学院 薬学研究院 |
氏名 | 中司 寛子 |
キーワード | T細胞老化 / DNAメチル化 / エピゲノム / TET |
研究結果概要 | 加齢に伴う個体レベルにおける免疫機能の低下は「免疫老化」と呼ばれ、免疫老化においては特にT細胞の機能低下が顕著となり、感染症やがん、自己免疫疾患のみならず、糖尿病や心血管疾患の原因にもなると考えられている。我々はこれまでにDNA脱メチル化酵素TetをT細胞特異的に欠損するマウス(DKO)を独自に作製したところ、CD4+ T細胞の老化と腫瘍化を認め、自己免疫様炎症病態で早期に死亡することを見出した。そこで本研究では、本マウスをT細胞老化モデルとして用い、Tet によるエピゲノムと腸内細菌叢の変化に注目してT細胞老化およびがん化のメカニズム解明を行った。その結果、DKOマウスでは腸内細菌(由来代謝物)によるTCRとTLR2/4 を介したシグナルおよびAhRアゴニストの産生を介したIL-21産生誘導によりT細胞老化/がん化が促進することが明らかとなった。また、T細胞老化にはTfh関連遺伝子が関与し、エピゲノム変化によるBcl6を中心とした老化形質獲得メカニズムを提唱した。本研究の成果は、将来的に免疫老化の制御方法開発につながり、健康寿命の延伸に貢献することが期待される。 |
公表論文 |
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