研究助成

2021年度 医学系研究助成(臨床)

マルチオミックス解析による重症喘息の病態解明と予防法開発

研究題目 マルチオミックス解析による重症喘息の病態解明と予防法開発
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(臨床)
所属 東北大学病院 呼吸器内科
氏名 藤野 直也
キーワード 重症喘息 / バイオバンク / 全ゲノムシークエンス / RNAシークエンス / オミックス解析
研究結果概要 喘息において、これまで種々の遺伝子多型が明らかにされたが、リスク評価に基づく患者層別化の実用化するためには、重症病態を規定する遺伝的素因に基づく分子生物学的理解が必要である。本研究では、重症喘息患者において、喘息バイオマーカー関連遺伝子の変異状況、および免疫細胞の遺伝子発現パターンを統合解析し、喘息重症化のリスク予測、および生物学的製剤に対する治療反応性予測を解明することを目的とした。重症喘息レジストリを構築し、100名を超える患者より臨床情報(症状の重症度、増悪の頻度、増悪治療の内容、コントロール薬、治療反応性、併存症、呼吸機能、FeNO、末梢血好酸球数、総IgE、特異的IgE)、およびゲノムDNA、全血RNA、末梢血単核球細胞、血清・血漿を収集した。患者ゲノムDNAの全ゲノムシーケンス解析を施行し、喘息の重症化に関与する複数種のrare variantsを同定した。さらに、全血RNAを用いたRNAシークエンス解析から、重症喘息患者の層別化を可能にするシグナル伝達経路を同定した。
公表論文