研究助成

2021年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))

CXCL12-CXCR4軸による多発性骨髄腫細胞制御に必須の細胞内分子の網羅的探索とin vivo機能解析

研究題目 CXCL12-CXCR4軸による多発性骨髄腫細胞制御に必須の細胞内分子の網羅的探索とin vivo機能解析
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(がん領域(臨床))
所属 京都大学 医生物学研究所・生命システム研究部門・幹細胞 遺伝学分野
氏名 青木 一成
キーワード CXCL12 / CXCR4 / BAF
研究結果概要 CXCL12応答性を制御する遺伝子を網羅的に探索することを目的にして、CXCL12細胞遊走アッセイとゲノムワイドCRISPRスクリーニングを組み合わせた独自のスクリーニング系を構築した。スクリーニングの結果、ARID1A、SMARCB1、SMARCA4などのcanonical BRG1/BRM-associated factor (cBAF) 複合体をコードする遺伝子がヒットした。cBAF複合体は、RUNX1結合領域のクロマチンアクセシビリティを特異的に制御していることを発見した。cBAFの機能を抑制すると、CXCR4エンハンサー領域にCXCR4の発現に必須のRUNX1が結合できなくなることで、CXCR4の発現が低下し、その結果CXCL12に対する遊走性が抑制されることが明らかになった。本研究を通して、CXCL12-CXCR4軸制御の新しい分子基盤が明らかになった。
公表論文 Canonical BAF complex regulates the oncogenic program in human T-cell acute lymphoblastic leukemia. Blood. 2024; 143: 604-618.