研究助成
2021年度 医学系研究助成(基礎)
中性子捕捉ナイフシステムを用いた非腫瘍性難治性疾患の治療法確立
研究題目 | 中性子捕捉ナイフシステムを用いた非腫瘍性難治性疾患の治療法確立 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(基礎) |
所属 | 京都大学 複合原子力科学研究所 |
氏名 | 渡邉 翼 |
キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 |
研究結果概要 | 本研究は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の適用範囲を癌治療から非腫瘍性疾患へ拡大することを目的としている。BNCTはホウ素原子が中性子を取り込み、α線とリチウム原子核に分裂する反応を利用し、短い飛程を持つ分裂生成物で癌細胞を特異的に死滅させる治療法である。 本研究では、ホウ素化抗体を用いた「中性子捕捉ナイフ」技術を開発し、細胞選択的にホウ素を送達する方法を検討した。スクシンイミド基を持つホウ素化モジュールを作成し、抗体への結合能を確認した。結果として、抗体1分子あたり約46個のホウ素原子を結合させることができた。 抗体機能を維持したままホウ素化することを確認し、マウスのCD8+T細胞を用いて実験を行った。中性子照射後、理論値と一致するアポトーシス率2.8%を示した。この技術を関節リウマチ治療に応用するため、Th17細胞を標的としたホウ素化抗体を作成し、マウスモデルでの実験を行ったが、治療効果は限定的であった。原因として、ターゲットタンパク質の発現数不足が考えられたため、ホウ素化モジュールの改良を進め、抗体1分子あたり96個のホウ素原子を結合させることに成功した。 |
公表論文 |
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