研究助成

2021年度 医学系研究助成(基礎)

肺動脈性肺高血圧症の重症化を担う炎症関連転写因子に焦点を当てた新規治療法の開発と病態形成機構の解明

研究題目 肺動脈性肺高血圧症の重症化を担う炎症関連転写因子に焦点を当てた新規治療法の開発と病態形成機構の解明
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(基礎)
所属 国立循環器病研究センター 血管生理学部
氏名 正木 豪
キーワード 肺動脈性肺高血圧症 / 新規治療法開発 / 病態解明 / 炎症 / 転写因子
研究結果概要 肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: PAH)は肺小動脈に原因不明の血管リモデリング(狭窄や閉塞)をきたして肺動脈圧の上昇し、右心不全に至る可能性のある予後不良の厚生労働省指定難病である。近年血管平滑筋の弛緩を機序とする治療薬が使用されているが、重症患者の予後はいまだ不良であり、新規メカニズムに基づく治療法の開発が待ち望まれている。 本研究では、研究代表者らが独自に見出した、PAH病態形成のカギを握る炎症関連転写因子に焦点を当てた新規治療法の開発と病態形成機構の解明を目的とした。当該炎症関連転写因子には、阻害剤が報告されている。そこで、PAHモデル動物を用いて阻害剤の治療効果の検討を行った。その結果、阻害剤Aは、PAH病態を減弱する効果が認められた。また、血中の関連代謝物の濃度をELISAやLC-MSを用いて解析した。その結果、臨床パラメーターと相関する代謝物が同定された。さらに、PAH病態形成における臓器連関の可能性を検討する実験系を立ち上げた。
公表論文