研究助成
2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
線維筋痛症の発症における扁桃体中心核神経ペプチド系の意義の解明
研究題目 | 線維筋痛症の発症における扁桃体中心核神経ペプチド系の意義の解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 東京慈恵会医科大学 神経科学研究部 |
氏名 | 高橋 由香里 |
キーワード | 痛覚変調性疼痛 / 外側腕傍核 / 扁桃体中心核 / オピオイド / オキシトシン |
研究結果概要 | 線維筋痛症を含む慢性一次性疼痛は、最も治療に難渋する痛みである。近年、慢性一次性疼痛の背景メカニズムとして、痛みの脳内ネットワークの可塑的変化を伴う“痛覚変調性疼痛”が提唱された。本研究では、痛覚変調性疼痛の脳内メカニズムの解明を目的とし扁桃体中心核神経ペプチド系に着目し、1)炎症における腕傍核-扁桃体中心核系でのµオピオイド受容体を介したシナプス伝達制御機構、および、2)扁桃体中心核におけるオキシトシン応答細胞の分娩に伴う変化を電気生理学的手法によって解析した。その結果、1)腕傍核-扁桃体中心核経路におけるゲート制御プロセスが内因性オピオイドによって調節される可能性、および、2)痛みや不安を伴う分娩の前後において扁桃体中心核のアストロサイトとニューロンが異なるオキシトシン応答変化を示すこと明らかになった。これらの研究結果より、腕傍核-扁桃体中心核系における神経ペプチド系(内因性オピオイド、オキシトシン等)が痛みの情動や痛覚過敏の抑制に寄与する可能性が示唆された。今後、痛覚変調性疼痛の脳機構における神経ペプチドの役割・機能をさらに解析し、新たな治療標的になり得るか検討する。 |
公表論文 | Presynaptic inhibition of excitatory synaptic transmission from the calcitonin gene-related peptide-containing parabrachial neurons to the central amygdala in mice - unexpected influence of systemic inflammation thereon. J Pharmacol Sci. 2024 Apr;154(4):264-273. Delivery-Dependent Shift in Oxytocin-Responsive Cell Population in the Central Amygdala of the Female Rat. Neuroendocrinology. 2023;113(1):48-63. |
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