研究助成
2021年度 医学系研究助成(感染領域)
C型インフルエンザウイルスのゲノムパッケージング機構に関する研究
研究題目 | C型インフルエンザウイルスのゲノムパッケージング機構に関する研究 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(感染領域) |
所属 | 山形大学医学部 感染症学講座 |
氏名 | 下平 義隆 |
キーワード | C型インフルエンザウイルス / ゲノムパッケージング |
研究結果概要 | C型インフルエンザウイルスは主に小児に上気道炎を引き起こし、2歳未満の子どもでは気管支炎や肺炎により入院する割合が高い。しかし、増殖機構の研究は少なく、抗ウイルス薬も開発されていない。申請者はウイルスの増殖機構解明のため、ウイルスのゲノムパッケージング機構の研究を行った。従来、当ウイルスは7本の一本鎖RNA(7分節RNA)を持つとされているが、近年の電子顕微鏡解析ではウイルス粒子内に8本のRNAが観察され、従来のゲノム本数と矛盾することが報告されている。本研究では、RNA-Seq解析により、第7分節RNAが他の分節よりも2〜3倍多いことを発見した。また、組換えウイルス作製時に第7分節RNA発現プラスミドを多く使用すると感染性ウイルスの産生量が増加した。これらの結果から、第7分節RNAがウイルス粒子の8本目のRNAとして候補となり、この分節が粒子内に多く取り込まれることで、ウイルスRNAのパッケージングや複製に有利に働くことが示唆された。この知見はC型インフルエンザウイルスの病原性解明や新たな抗ウイルス薬開発に向けた重要な一歩であり、ウイルス学の研究に大きく貢献することが期待される。 |
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