研究助成

2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)

末梢免疫担当細胞による炎症制御システムから紐解くうつ病の新規治療戦略

研究題目 末梢免疫担当細胞による炎症制御システムから紐解くうつ病の新規治療戦略
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
所属 藤田医科大学 大学院保健学研究科 レギュラトリーサイエンス分野
氏名 國澤 和生
キーワード うつ病 / 末梢-中枢連関 / 脾臓 / 免疫細胞
研究結果概要 本研究では、慢性社会的ストレス負荷により作成したうつ病モデルマウスを用い、末梢-中枢連関を基盤として、末梢組織・脳内で認められる過剰な免疫応答がうつ病の病態形成に関与するか検討を行った。初めに、慢性社会的ストレス負荷したマウスにおいてうつ様行動が認められるか社会性行動試験・強制水泳試験で評価した結果、各行動試験において社会性・意欲の有意な低下が認められた。 更に興味深い事に、対照群と比較し慢性社会的ストレス負荷マウスにおいて、末梢免疫応答を司る脾臓が有意に腫大していることを見出した。更に、慢性ストレスを負荷したマウス脾臓より回収した免疫細胞を用いてintracellular cytokine stainingを実施し、フローサイトメトリーにより解析を実施した結果、慢性社会的ストレス負荷により脾臓内の特定の免疫細胞集団内にて炎症性サイトカインが有意に増加していることを明らかにした。さらに、これら炎症性サイトカインが血液-脳関門を破綻しうつ様行動に関与する分子機構の一端を解明した。
公表論文