研究助成
2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域)
新しい分子戦略に基づいたアルツハイマー病治療薬の開発
研究題目 | 新しい分子戦略に基づいたアルツハイマー病治療薬の開発 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(精神・神経・脳領域) |
所属 | 自治医科大学 医学部 生理学講座 生物物理学部門 |
氏名 | 山本 直樹 |
キーワード | アミロイド中間体 / アミロイド線維 / 構造転換 / 電子顕微鏡 |
研究結果概要 | アミロイド線維の形成とその臓器への沈着は種々のアミロイドーシスや神経変性疾患の要因であるが、アミロイド線維形成機構はいまだ不明な点が多く、確かな治療法が確立されていない。近年、アミロイド線維形成に先立って出現する中間体がアミロイド線維の元となっている説が浮上しており、中間体からアミロイド線維がどのようにして形成されるか明らかにすることは喫緊の課題である。このような背景を踏まえ、本論文で行った研究では、透過型電子顕微鏡を用いてアミロイド線維形成前に蓄積する準安定な中間体を明確に観察した。さらに、得られた電子顕微鏡写真を注意深く解析することにより、中間体が寄り集まることによってアミロイド線維を形成している様子を明らかにした。さらに本研究では、中間体に結合する分子(フィブリノーゲン)を発見し、その結合が線維形成を阻害することも示した。これらの結果は、中間体を標的とした新規創薬手法の開発が可能であることを示している。以上の結果は、物理化学分野で国際的に評価されている論文、Journal of Physical Chemistry Bに掲載され、またオンラインcover artにも選出された。 |
公表論文 | Yamamoto et al., Tracking the Structural Development of Amyloid Precursors in the Insulin B Chain and the Inhibition Effect by Fibrinogen, Journal of Physical Chemistry B 2022, 126, 51, 10797–10812 |
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