研究助成
2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎))
小胞体局在転写因子OASISを介したp53非依存的癌治療戦略の構築
研究題目 | 小胞体局在転写因子OASISを介したp53非依存的癌治療戦略の構築 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(がん領域(基礎)) |
所属 | 広島大学大学院 医系科学研究科 分子細胞情報学 |
氏名 | 齋藤 敦 |
キーワード | OASIS / p53 / p21 / 癌治療 / エピゲノム編集 |
研究結果概要 | DNA損傷などによってゲノム不安定性を持った細胞が増殖することを防ぐために、不可逆的に細胞増殖が停止する癌抑制機構が知られている(細胞老化)。細胞老化はマスターレギュレーターp53が細胞周期抑制因子p21の発現を誘導することで引き起こされる。研究代表者は小胞体膜局在転写因子OASIS がDNA損傷に応答して活性化し、p53非依存的なp21の誘導を介して細胞老化を誘導することを発見した。興味深いことに、一定数の癌患者および癌細胞株においてOASISプロモーターの高メチル化を伴ってその発現レベルが低下していることを突き止めた。エピゲノム編集技術を駆使してこのメチル化を特異的に解除すると、p53変異型の癌細胞株の増殖が抑制された。さらにヌードマウスに移植した癌細胞由来の腫瘍の成長も、エピゲノム編集によって顕著に抑制できた。以上より、OASISがp53のカウンターパートとしての機能を持っており、新規の細胞周期制御因子であることが示された。また、エピゲノム編集治療はゲノム変異が不要なため安全性が高く作用機序も新規であり、従来の抗癌剤との相乗効果が期待できる。 |
公表論文 | p53-independent tumor suppression by cell cycle arrest via CREB/ATF transcription factor OASIS. Cell Reports, 42, 112479, 2023. Impact of cell cycle on repair of ruptured nuclear envelope and sensitivity to nuclear envelope stress in glioblastoma. Cell Death Discovery, 9, 233, 2023. OASIS/CREB3L1 is a factor that responds to nuclear envelope stress. Cell Death Discovery, 7, 152, 2021. |
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