研究助成

2021年度 医学系研究助成(基礎)

アレルギー性⿐炎の発症におけるTh2細胞の新たな役割の研究

研究題目 アレルギー性⿐炎の発症におけるTh2細胞の新たな役割の研究
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究助成(基礎)
所属 兵庫医科大学医学部 免疫学講座
氏名 松下 一史
キーワード アレルギー性鼻炎 / 即時型過敏反応 / Th2細胞 / 肥満細胞 / IgE
研究結果概要 アレルギー性鼻炎の発症にはアレルゲン特異的IgEが必須であるが、血中IgEが高値の人が必ずしも鼻炎症状を発症するわけではない。我々は、受動免疫を用いた新規アレルギー性鼻炎マウスモデルを用いて、鼻炎発症における局所でのTh2細胞と全身性IgEの役割を研究した。マウスにOVA-Th2ならびにOVA-IgEを移入することで鼻炎症状(くしゃみ反応)を誘導することができた。くしゃみ反応はOVA-Th2と全身性OVA-IgEの両方がある場合にのみ誘導された。レシピエントとしてRag2欠損マウスを用いた場合、またはTfh細胞からIL-4が産生されないCNS2欠損マウス由来OVA-Th2を用いた場合はくしゃみ反応は誘導されなかった。また、OVA-Th2存在下でCompound48/80点鼻により肥満細胞の脱顆粒を誘導してもOVA点鼻によるくしゃみ反応を誘導できた。本研究よりアレルギー性鼻炎の発症には全身性IgEと局所でのTh2細胞の活性化が必須であることが分かった。全身性IgEを介した肥満細胞の活性化が局所でのTh2細胞の活性化・IgE産生を誘導することで鼻炎症状の発症に寄与している可能性が示された。
公表論文