研究助成
2021年度 医学系研究助成(基礎)
食事に対する腸管免疫の応答による正常代謝の維持メカニズムの解明と肥満抵抗性免疫細胞の作成による新規肥満治療の検討
研究題目 | 食事に対する腸管免疫の応答による正常代謝の維持メカニズムの解明と肥満抵抗性免疫細胞の作成による新規肥満治療の検討 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 医学系研究助成(基礎) |
所属 | 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 |
氏名 | 戸田 郷太郎 |
キーワード | 骨髄系細胞 / 短鎖脂肪酸 / プロテアソーム |
研究結果概要 | 本研究では免疫細胞を介した肥満の病態形成に寄与する代謝物の作用を明らかにするため、肥満状態、非肥満状態のマウスで小腸内容、門脈血のメタボローム解析を施行した。代謝調節機能が報告されている短鎖脂肪酸については、小腸内容では酪酸、プロピオン酸濃度の肥満による変化を認めなかったが、門脈血中では両者の濃度低下が見られた。小腸パイエル板のscRNA-seqによる1細胞解析では、代謝経路に関連する遺伝子のうち、骨髄系細胞での酪酸、プロピオン酸トランスポーターの発現が低下していたことから、腸管免疫細胞での短鎖脂肪酸の作用低下が肥満状態で代謝機能の変化で鍵となる可能性が考えられた。肥満マウスに酪酸を飲料水を介して1ヶ月給水すると食後の高インスリン血症が改善した。酪酸はHDAC阻害により作用すると報告されているが、初代培養マクロファージでは酪酸の存在下でHdac2が蛋白レベルで低下し、プロテアソーム阻害薬によりHdac2蛋白の低下が見られなくなったことから、免疫細胞における酪酸の細胞内への取り込みによるプロテアソームの機能維持がHdac2の蛋白を正常に抑制する可能性があると考えられた。 |
公表論文 |
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