研究助成

2021年度 医学系研究継続助成(基礎)

肺血症における赤血球供給機構の解明

研究題目 肺血症における赤血球供給機構の解明
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究継続助成(基礎)
所属 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体防御学分野
氏名 金山 剛士
キーワード 敗血症 / 赤血球 / 造血
研究結果概要 造血系による赤血球の供給は生命維持に必須の役割を担っている。その一方、敗血症のような全身的な急性感染病態においては、体内に侵入した病原体をいち早く排除するために、好中球や単球と言った自然免疫細胞の産生が爆発的に亢進し、この代償としてリンパ球系細胞や赤血球の産生は著しく低下することが知られている。この造血応答はEmergency myelopoiesis(EM)と呼ばれる。本研究では、敗血症で誘導されるEM後の赤血球産生が、どのように回復するのか明らかにすることを目的とした。敗血症のような生体ストレス環境下で増加する死細胞が造血に及ぼす影響について調べたところ、造血幹細胞(HSC)において特定の死細胞受容体の発現が確認され、この受容体の欠損マウスから採取したHSCは培養下で赤血球産生能が減弱していた。現在、赤血球産生における当該受容体の機能を、生体内、特にEM後の骨髄において検討を行うことで、赤血球産生を制御する新たな機構の解明に繋げたいと考えている。
公表論文