研究助成

2021年度 医学系研究継続助成(がん領域(基礎))

ケトン体合成に注目したミトコンドリア保護作用の分子メカニズム解明

研究題目 ケトン体合成に注目したミトコンドリア保護作用の分子メカニズム解明
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究継続助成(がん領域(基礎))
所属 熊本大学 国際先端医学研究機構
氏名 有馬 勇一郎
キーワード ケトン体代謝 / ケトン体合成 / Hmgcs2
研究結果概要 本研究課題では、"ケトン体合成に注目したミトコンドリア保護作用の分子メカニズム解明"というタイトルのもと、申請者が初めて見出したケトン体合成不全によるミトコンドリア保護という概念を拡張し、ケトン体合成が病態に及ぼす影響を評価するため、心臓発生と心臓病態の2つの側面から解析を進めた。心臓発生に関する検討では、ケトン体合成不全マウスにおいて、心筋成熟が遅延することを確認し、その背景としてエピゲノム修飾が関与している可能性が確認された、本知見はケトン体によるHDAC阻害作用もしくはケトン体による直接的なヒストン修飾によりもたらさせている可能性があり、現在検討を進めている。また、病態との関連においては、肥満と高血圧を合併した心肥大マウスモデルにおいて、肝臓でのケトン体合成が亢進することを確認した。ケトン体合成が心臓に及ぼす影響を検討するため、肝臓特異的なケトン体合成不全マウスを用いて検討したところ、心肥大の増悪を認めた。肝臓でのケトン体合成不全が、心疾患の増悪に影響を及ぼすという結果であり、現在背景にある分子メカニズムの解明を進めている。
公表論文 なし