研究助成

2021年度 医学系研究継続助成(がん領域(臨床))

フェロトーシスにおけるSHARPINおよびPRMT5の機能解析

研究題目 フェロトーシスにおけるSHARPINおよびPRMT5の機能解析
年度/助成プログラム 2021年度 医学系研究継続助成(がん領域(臨床))
所属 大阪国際がんセンター 整形外科
氏名 田宮 大也
キーワード sarcoma / ferroptosis / SHARPIN / PRMT5 / mitophagy
研究結果概要 悪性骨軟部腫瘍(肉腫)は希少がんの一種であり治療法開発が難しい。近年がん治療ターゲットとして鉄依存性細胞死フェロトーシスが注目されつつあり、本研究では肉腫におけるフェロトーシス感受性とそのメカニズムを解析した。その結果、肉腫細胞株では非がん細胞や上皮性がん細胞株と比較しフェロトーシス誘発剤RSL3の感受性が高く、またフェロトーシス抑制因子GPX4への依存性が高いことがわかった。さらにNF-kappaBおよびPRMT5活性に関与することが知られているSHARPINの発現が肉腫における予後不良因子として有意であった。メカニズムとしてSHARPINがPGC1alphaを介してBNIP3L/NIX-mediated mitophagyに関与しフェロトーシス感受性に寄与していることを明らかにした。以上より、SHARPIN高発現である予後不良肉腫に対してフェロトーシスが治療ターゲットとして期待できる可能性を示した。
公表論文 Tamiya H, Urushihara N, Shizuma K, Ogawa H, Nakai S, Wakamatsu T, Takenaka S, Kakunaga S. SHARPIN Enhances Ferroptosis in Synovial Sarcoma Cells via NF-kappaB- and PRMT5-Mediated PGC1alpha Reduction. Cancers (Basel). 15(13):3484. doi: 10.3390/cancers15133484. 2023 Tamiya H, Imura Y, Wakamatsu T, Outani H, Kakunaga S, Takenaka S. Impact of Nodal Metastasis on Survival in Clear Cell Sarcoma. Sarcoma Res Int. 8(1): 1051. 2023