研究助成
2021年度 薬学系研究助成
転移がん治療を目的としたデザイナー細菌による抗がん物質の現地生産
研究題目 | 転移がん治療を目的としたデザイナー細菌による抗がん物質の現地生産 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 薬学系研究助成 |
所属 | 長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科(薬学系) |
氏名 | 向井 英史 |
キーワード | 生菌製剤 / がん |
研究結果概要 | 生菌製剤は、がん治療薬などとして注目度が徐々に高まっているニューモダリティの一つである。我々は、間質構造の異なる腫瘍移植マウスモデルを用いた比較評価を行い、間質が豊富で血管内皮が成熟した臨床様腫瘍において、多くの抗がん剤やそのDDS製剤が送達されにくいのと同様に、生菌製剤の生着・増殖が起こりにくいこと、しかし、一部の細菌種はこうした制約を突破して、腫瘍深部でも生着・増殖を達成することを見出した。また、CRISPR/Cas9 システムを用いた細菌改変法を確立し、臨床応用における副作用惹起の懸念が高い内毒素の欠損株などの有用株を作製した。さらに、難治性膵臓がんを含む担癌マウスモデルにおいて、生菌製剤の併用により、ナノ粒子DDS製剤の腫瘍への送達が向上して腫瘍内分布が改善し、世界中の多くの国で認可されているリポソーム抗がん剤であるドキシルおよびオニバイドの抗がん効果が劇的に向上することを実証した。 |
公表論文 | Impact of tumoral structure and bacterial species on growth and biodistribution of live bacterial therapeutics in xenografted tumors. Journal of Drug Targeting. 2023;31:194–205. Blautia coccoides JCM1395T achieved intratumoral growth with minimal inflammation: evidence for live bacterial therapeutic potential by an optimized sample preparation and colony PCR method. Pharmaceutics. 2023;15:989. |
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