研究助成
2021年度 薬学系研究助成
薬物-HLA相互作用による腫瘍免疫原性の改善を利用した低免疫原性腫瘍に対する新規治療法の開発
研究題目 | 薬物-HLA相互作用による腫瘍免疫原性の改善を利用した低免疫原性腫瘍に対する新規治療法の開発 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 薬学系研究助成 |
所属 | 富山大学 和漢医薬学総合研究所 生体防御学領域 がん・免疫ユニット |
氏名 | 薄田 健史 |
キーワード | がん免疫 / HLA / 免疫原性 / 細胞傷害性T細胞 |
研究結果概要 | 本研究では、HLAと薬物の相互作用により腫瘍の免疫原性を改善する新規がん免疫治療戦略について検証した。まずHLA-B*57:01を遺伝子導入した低免疫原性がん細胞を作製し、HLA-B*57:01多型の遺伝子導入マウス(B*57:01-Tg)への皮下移植後に相互作用薬物(アバカビル(ABC))を投与したところ、腫瘍増大の抑制ならびに細胞傷害性T細胞の腫瘍組織内浸潤が観察され、さらに腫瘍内浸潤リンパ球においてIFN-γ産生細胞の有意な増加が認められた。一方で、HLA遺伝子を導入していない腫瘍を担癌したABC投与B*57:01-Tgマウスではこれらの現象はいずれも認められなかった。次に本治療戦略がカルバマゼピン(CBZ)とHLA-B*15:02の組み合わせにも拡張できるか検証した。ABCと同様の手法で検討を進めた結果、HLA-B*15:02遺伝子導入腫瘍を担癌したマウスにおいてCBZが抗腫瘍免疫応答を誘導した。以上の結果から、低免疫原性腫瘍においてHLAとの相互作用により免疫原性を薬剤誘導性に制御するがん免疫治療戦略が有効であることが示され、本治療法のプルーフ・オブ・コンセプトを確立できた。 |
公表論文 | Drug-induced altered self-presentation increases tumor immunogenicity. Biomed Pharmacother. 165:115241, (2023) |
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