研究助成
2021年度 薬学系研究助成
新規自然免疫シグナルの活性化/抑制機構の構造学的解明
研究題目 | 新規自然免疫シグナルの活性化/抑制機構の構造学的解明 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 薬学系研究助成 |
所属 | 熊本大学 大学院生命科学研究部(薬学系) |
氏名 | 中村 照也 |
キーワード | 構造生物学 / 細胞シグナル伝達 |
研究結果概要 | 本研究では自然免疫シグナルの活性化/抑制に関わるシグナル分子TIFAとTIFABの構造学的研究を行った。TIFAは細胞内で二量体を形成し、細菌の代謝産物により活性化したキナーゼによるリン酸化を受けることでリン酸化依存的にホモオリゴマーを形成し、NF-kBを活性化する。TIFABはTIFAによるシグナルを阻害することが報告されていたが、その分子機構は不明であった。我々は、TIFABがTIFA単量体と結合してTIFA/TIFABのヘテロ二量体を形成することを明らかにし、そのX線結晶構造を決定した。その結果、TIFABはTIFAとヘテロ二量体を形成することでシグナル伝達に必須のTIFAの二量体化を阻害し、シグナルを抑制することが示された。TIFA/TIFABの構造をもとにTIFAと結合できないTIFAB変異体を調製し、HEK293T細胞においてこれらTIFAB変異体はNF-kB活性化を抑制できないことを示した。以上の結果から、TIFABはTIFAとヘテロ二量体を形成することでTIFAによるNF-kB活性化を抑制することを明らかにした。 |
公表論文 | Nakamura T, Ohyama C, Sakamoto M, Toma T, Tateishi H, Matsuo M, Chirifu M, Ikemizu S, Morioka H, Fujita M, Inoue J, Yamagata Y "TIFAB regulates the TIFA-TRAF6 signaling pathway involved in innate immunity by forming a heterodimer complex with TIFA." Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A., 121, e2318794121 (2024) |
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