研究助成
2021年度 特定研究助成
核膜障害を起源とする細胞・個体老化の分子機構解明と治療戦略の基盤構築
研究題目 | 核膜障害を起源とする細胞・個体老化の分子機構解明と治療戦略の基盤構築 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 特定研究助成 |
所属 | 広島大学大学院 医系科学研究科 分子細胞情報学 |
氏名 | 齋藤 敦 |
キーワード | 核膜ストレス / 核膜 / 細胞老化 / 癌 / OASIS |
研究結果概要 | DNA損傷や酸化ストレスなどで核膜構成成分が劣化すると、核膜崩壊や核輸送破綻が生じてしまう。このような核膜構造・機能が破綻した状態を核膜ストレスとよび、遺伝性早老症や癌の発症と密接に関わることがわかってきた。このストレス応答系の解明を目指して、核膜ストレス発生部に集積することを見出している膜貫通型転写因子OASISを切り口として研究を展開した。核膜破綻部におけるOASISおよび各種核膜構成因子の局在を調べると、核膜構成因子SUN2やNesprin2がOASISと共局在していた。OASISが欠損すると核膜の修復が障害されて核膜ストレスが増強し、細胞老化制御に異常をきたすこともわかった。以上より、OASISは核膜構成因子と相互作用して核膜を保護し、核膜ストレスと細胞老化を制御することが示唆された。OASIS欠損はDNA損傷の増大と癌化も引き起こした。OASISを発現させると、核膜ストレスが減弱されて癌細胞の増殖とDNA損傷が抑制されることも明らかにした。このことから、OASISが核膜ストレスの鍵分子であること、その機能制御が核膜ストレスと関連する癌などの疾患治療につながることが示された。 |
公表論文 | p53-independent tumor suppression by cell cycle arrest via CREB/ATF transcription factor OASIS. Cell Reports, 42, 112479, 2023. Impact of cell cycle on repair of ruptured nuclear envelope and sensitivity to nuclear envelope stress in glioblastoma. Cell Death Discovery, 9, 233, 2023. OASIS/CREB3L1 is a factor that responds to nuclear envelope stress. Cell Death Discovery, 7, 152, 2021. |
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