研究助成

2021年度 ハイリスク新興感染症研究助成

新型コロナウイルス感染症の日本人患者における単細胞プロテオーム解析

研究題目 新型コロナウイルス感染症の日本人患者における単細胞プロテオーム解析
年度/助成プログラム 2021年度 ハイリスク新興感染症研究助成
所属 国立大学法人大阪大学 感染症総合教育研究拠点
氏名 Wing JamesBadger
キーワード 非古典的メモリーB細胞 / 活性化Atypical B細胞 / mRNAワクチン接種 / COVID-19感染
研究結果概要 我々が開発した「マスフェノタイピング」と呼ばれるマスサイトメトリー(CyTOF)の新しい手法とscRNAseqを用いて、COVID-19患者とmRNAワクチン接種者の大規模コホートを解析した。その結果、非古典的メモリーB細胞が、COVID-19感染後およびmRNAワクチン接種後のSARS-CoV2特異的B細胞の大部分を占めることが明らかになった。さらに、これらの細胞は血清中の抗体レベルと強く相関していた。また、急性期には「活性化Atypical」B細胞とTfh1細胞が同時に増殖し、休止期にはCD23+IL4R+非古典的メモリーB細胞がSARS-CoV2特異的記憶の大部分を占めることが分かった。これらの発見は、非古典的メモリーB細胞とCD23+IL4R+非古典的メモリーB細胞がSARS-CoV-2に対する長期免疫に重要な役割を果たしている可能性を示唆しており、より効果的なワクチン戦略の開発につながることが期待される。マスフェノタイピングは、個々のサンプルにいくつかの特別な抗体パネルを適用し、数百のヒトサンプルについて100以上の免疫マーカーを測定することができる革新的な手法である
公表論文 "Atypical and non-classical CD45RBlo memory B cells are the majority of circulating SARSCoV-2 specific B cells following mRNA vaccination or COVID-19, Nat Commun. 2024 Aug 9;15(1):6811. "