研究助成
2021年度 ハイリスク新興感染症研究助成
実験科学と計算化学の相補的活用による新型コロナウイルス感染過程阻害剤の開発
研究題目 | 実験科学と計算化学の相補的活用による新型コロナウイルス感染過程阻害剤の開発 |
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年度/助成プログラム | 2021年度 ハイリスク新興感染症研究助成 |
所属 | 北里大学 薬学部創薬物理化学教室 |
氏名 | 田中 信忠 |
キーワード | SARS-CoV-2 / TMPRSS2 / in silico / ファーマコフォア / 阻害剤探索 |
研究結果概要 | コロナウイルス等のエンベロープ型ウイルスにおける宿主細胞表面からの侵入過程では、ウイルス表面のS蛋白質が宿主のACE2受容体に結合した後、宿主細胞表面プロテアーゼTMPRSS2による切断で活性化され膜融合が進行する。本研究では、ヒトTMPRSS2の立体構造を高分解能で決定し、その知見を阻害剤探索と阻害剤の構造最適化に役立て、コロナウイルス感染過程阻害剤の開発に繋げるため、ヒトTMPRSS2の発現・精製・結晶化に取り組んだ。組換え型酵素の大量調製に関しては、大腸菌及び昆虫細胞による発現を試みた。昆虫細胞を用いた発現系で培養上清への発現に成功し、精製条件の改良に取り組んでいる。In silico阻害剤探索に関しては、合成基質を用いた評価系を確立した後、(1)既存阻害剤の構造情報に基づくファーマコフォアベース探索と(2)標的分子活性部位の構造的特徴に基づくファーマコフォアベース探索という異なる二通りの戦略を各々ドッキングベースの二次スクリーニングと組み合わせて阻害剤探索に取り組んだ。特に(2)から既存阻害剤とは全く異なる分子骨格を有する候補化合物が得られており、阻害能評価を進めている。 |
公表論文 |
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