研究助成
2022年度 武田報彰医学研究助成
膜脂質の非対称性分布の分子機構とその生理作用
研究題目 | 膜脂質の非対称性分布の分子機構とその生理作用 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 武田報彰医学研究助成 |
所属 | 東京医科歯科大学、難治疾患研究所 医化学分野 |
氏名 | 瀬川 勝盛 |
キーワード | 細胞膜 / リン脂質 / フリッパーゼ / スクランブラーゼ |
研究結果概要 | 細胞膜脂質の非対称分布の分子機構とその生理作用について研究を行った。成果として、細胞膜リン脂質のホスファチジルセリンが細胞膜とエンドソームのフリッパーゼによって異なる経路で頑強に維持されていること、さらに細胞膜で最も量の多いリン脂質であるホスファチジコリンの(PC)やスフィンゴミエリン(SM)の動態を制御する分子:TMEM63Bを同定した。TMEM63Bは細胞膜の厚みや曲率、張力の変化に応じて活性化し、膜脂質を二重層間で双方向に転移させるスクランブラーゼ: 膜構造応答性スクランブラーゼとして機能した。また、横浜市立大学の西澤教授との共同研究を通じて、クライオ電子顕微鏡を用いたマウスTMEM63Bの構造解析を行い、開閉状態の構造を明らかにした。TMEM63Bは11回の膜貫通ヘリックスを持ち、開構造において特定のヘリックスが細胞膜側に傾き、スクランブリング活性に寄与する溝を形成していた。さらに、TM2とTM3の間の細胞質領域が膜内葉に密着し、膜変形を伝達するメカニズムを発見した。このように細胞膜リン脂質の非対称分布がフリッパーゼとTMEM63Bによって動的に維持されていることを見出した。 |
公表論文 |
1. Membrane structure-responsive lipid scramblase activity of the TMEM63/OSCA family. FEBS Letters., 599(5):656-666 (2025). 2. Membrane structure-responsive lipid scrambling by TMEM63B to control plasma membrane lipid distribution in the plasma membrane. Nat Struct Mol Biol., 32(1):185-198 (2025). |
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