研究助成
2022年度 生命科学研究助成
ウイルス感染細胞の運命を決定する小分子RNAによる抗ウイルス生体防御機構
研究題目 | ウイルス感染細胞の運命を決定する小分子RNAによる抗ウイルス生体防御機構 |
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年度/助成プログラム | 2022年度 生命科学研究助成 |
所属 | 埼玉大学 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 |
氏名 | 高橋 朋子 |
キーワード | ウイルス感染 / インターフェロン応答 / アポトーシス / RNAサイレンシング / microRNA |
研究結果概要 | ウイルス感染細胞の運命は、2つある。生きたままウイルスを細胞から排除するのか、死ぬことにより細胞ごとウイルスを排除するのかである。ウイルス感染細胞の細胞死は、抗原提示やその後の獲得免疫活性化といった、個体における抗ウイルス免疫応答に強く影響を与えると考えらえる。本研究では、我々が新たに同定した「ウイルス感染細胞の運命の分かれ道を制御するRNAサイレンシング調節因子TRBP」の制御メカニズムを理解することで、小分子RNAによる抗ウイルス生体防御機構の解明とその制御を目指した。本研究では、ウイルス感染によりTRBPがプロテアーゼにより切断され、機能が変化することを示した。切断されたTRBPはアポトーシスを促進しつつも代表的な抗ウイルス性サイトカインであるI型インターフェロンの産出を抑制した。すなわち、TRBPを介して、ウイルス感染細胞の免疫応答のバランスが制御されている新規の分子機構を見出した。この仕組みはウイルス感染細胞の免疫応答を制御する機構として機能していると考えられ、抗ウイルス治療や核酸医薬開発への応用が期待される。 |
公表論文 | Caspase-mediated processing of TRBP regulates apoptosis during viral infection. Nucleic Acids Research. 52, 5209-5225 (2024) |
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