研究助成
2022年度 生命科学研究助成
個体老化を制御する嗅覚神経回路の同定と分子メカニズムの解明
研究題目 | 個体老化を制御する嗅覚神経回路の同定と分子メカニズムの解明 |
---|---|
年度/助成プログラム | 2022年度 生命科学研究助成 |
所属 | 広島大学 大学院統合生命科学研究科 細胞生物学研究室(理学部) |
氏名 | 千原 崇裕 |
キーワード | 自然免疫 / 老化 / 嗅覚 / ショウジョウバエ |
研究結果概要 | 嗅覚は、食物の探索や交配対象の同定、天敵の察知に重要な機能を果たす。更に嗅覚は個体の生理状態にも影響を及ぼすことが知られている。例えば、漢方・アロマ セラピーなどの民間療法では、匂いによる気分や体調の調節が可能である。しかし、このような経験的な「匂い効果」に関する科学的な検証は未だ少ないのが現状である。本研究では、個体レベルでの分子機構・ 神経回路解析が可能なショウジョウバエを用いて「嗅覚による個体生理(免疫や老化)制御の分子基盤解明」を目指した。研究代表者は、効率的に「嗅覚と個体状態の関係」を調べるには、迅速かつ簡便な個体状態モニタリングが重要になると考え、高輝度・赤色発光酵素Akalucをショウジョウバエに導入し、個体内の自然免疫の活性化を、個体を殺さず同一個体からモニタリングすることを可能にした。このAkalucシステムを用いて自然免疫活性化に関わる嗅覚受容体を探索した結果、個体の自然免疫を活性化させる嗅覚受容体を同定することに成功した。自然免疫は老化とともに活性化されることが知られているため、今後は嗅覚と自然免疫、さらには老化を結びつける神経基盤を解析していく予定である。 |
公表論文 |
Systemic innate immune response induces death of olfactory receptor neurons in Drosophila. Genes to Cells. 27: 113-123, 2022. Crosstalk between the mTOR and Hippo pathways. Development, growth and differentiation. 65: 337-347, 2023. Akaluc/AkaLumine bioluminescence system enables highly sensitive, non-invasive and temporal monitoring of gene expression in Drosophila. Communications Biology. 6: 1270, 2023. |
-
研究助成対象者
データベース -
応募方法に
ついて -
初めての方はこちら
マイページを
取得する -
既にマイページを取得済みの方はこちら
マイページへ
ログイン
応募申請はマイページからお願いします。