研究助成

2022年度 生命科学研究助成

腸恒常性維持の分子機構の解明

研究題目 腸恒常性維持の分子機構の解明
年度/助成プログラム 2022年度 生命科学研究助成
所属 理化学研究所 開拓研究本部 Yoo生理遺伝学研究室
氏名 兪 史幹
キーワード 細胞死 / 腸 / エレボーシス
研究結果概要 エレボーシスの分子機構については、まずscRNAseqを実施した。エラスターゼやトリプシンによる細胞分離中の遺伝子発現変動を防ぐため、またそもそも組織分離を行うとエレボーシス細胞を回収するのが困難であったため、顕微鏡観察下で生きた腸細胞を微細な針で採取し、少数細胞を用いたscRNAseqを行った。scRNAseqの結果からエレボーシスを起こす前の段階の細胞で特定の遺伝子の発現が上昇していたため、これらを阻害したところ、エレボーシスを抑制できることがわかった。また、研究を進める中で、偶然、餌の組成がエレボーシスに影響することがわかり、その分子機構を解析した。腸細胞の細胞死エレボーシスと腸幹細胞の関係性については、GLEFAという、腸細胞でGal4-UASシステムで遺伝子操作を行いながら、腸幹細胞をFlip-outシステムを用いてラベル追跡するシステムを開発し、論文発表した(Ciesielski et al. 2022)。GLEFAシステムを用いて、scRNAseqでエレボーシス細胞で発現している細胞表面タンパクや分泌タンパクに焦点を当ててRNAiスクリーニングを行った。
公表論文