研究助成
2022年度 生命科学研究助成
発生期における髄鞘化制御の統合的理解を基軸にした末梢神経再生プログラムの惹起
| 研究題目 | 発生期における髄鞘化制御の統合的理解を基軸にした末梢神経再生プログラムの惹起 |
|---|---|
| 年度/助成プログラム | 2022年度 生命科学研究助成 |
| 所属 | 東京薬科大学 生命科学部分子生命科学科 分子神経科学研究室 |
| 氏名 | 山内 淳司 |
| キーワード | 髄鞘発生 / 髄鞘変性 / 末梢神経系 / シュワン細胞 / 再生 |
| 研究結果概要 | 末梢神経組織は、侵害受容体を発現する感覚神経などの神経細胞とシュワン細胞に代表されるグリア細胞から構成される比較的単純な組織といわれることが多いが、その発生機序には不明な点が多い。一方、その発生または成熟後に遺伝性、炎症性、外傷性要因によって組織維持が破綻すると重篤な疾患を発症する。当該研究では、次世代遺伝子解析システムを利用することで末梢神経組織の発生の分子メカニズムを理解し、そのメカニズムを応用し、組織変性後の再生を誘導する手段を解明することを目的とした。そこで、次世代遺伝子解析によるマウスやラットの神経組織のRNAデータの取得に成功し、公的データベースに登録した（GSE200055やGSE234887など）。そのなかから神経組織の成熟に関係する可能性が高い遺伝子群をさまざまな公的データベースと参照することで再生に関わる複数の候補遺伝子（ほとんど既報がない遺伝子であった）を単離選択した。そして、遺伝子改変マウスを作製することで、これらの遺伝子が神経および髄鞘発生に関与するのかどうか、人工的（外傷性）組織変性後再生に積極的にかかわるかを明らかにすることに成功した。 |
| 公表論文 |
最新原著論文5編 Wakana Miyataら申請者 (2025) Bcl2l12, a novel protein interacting with Arf6, triggers Schwann cell differentiation program. J. Biochem. in press Nana ukushimaら申請者 (2024) CRISPR/CasRx-mediated knockdown of Rab7B restores incomplete cell shape induced by Pelizaeus-Merzbacher disease-associated PLP1 p.Ala243Val. Neurosci. Ins. 19, 26331055241276873 Nana Fukushimaら申請者 (2024) Knockdown of Rab9 recovers defective morphological differentiation induced by chemical ER stress inducer or PMD-associated PLP1 mutant protein in FBD-102b cells. Pathophysiology 31, 420-435 Sui Sawaguchiら申請者 (2024) Hypomyelination leukodystrophy 16 (HLD16)-associated mutation p.Asp252Asn of TMEM106B blunts cell morphological differentiation. CIMB 46, 8088-8103 Miyu Okabeら申請者 (2024) Autism spectrum disorder- and/or intellectual disability-associated Semaphorin-5A exploits the mechanism by which Dock5 signalosome molecules control cell shape. CIMB 46, 3092-3107 |